
サツマイモの葉

ダイコンの葉
あなたは、どちらが自然だと思いますか?
上記の写真、上はサツマイモの葉。下は大根の葉を上から見たものです。
サツマイモもダイコンも、左側の葉の色が淡く、右側は、濃くなっています。
あなたは左右、どちらが本来の色味だと思われるでしょうか。
両方とも左が肥料を使っていない自然栽培野菜の葉の色味です。虫は寄らず、農薬を使う必要がありません。そして、右側が肥料を使って育った野菜の葉です。大きく立派ですが、農薬は不可欠な栽培になってしまいます。
葉もの野菜を見分けるときも、この色味に注意する必要があります。
淡い緑色の葉ものを選んでいただきたいのです!
子供の頃よく、ほうれん草や小松菜などの葉物は「緑が濃いものを選ぶように」と言われました。これは今も変わらない常識です。
でもその理由については「葉緑素」とか「栄養が詰まっている」とか言われた程度で、きちんと教わりませんでした。本当に「緑が濃いもの」は体に良いのでしょうか?
もう一度あなたの周りの自然を見て見ましょう。
公園の草も空き地に生える植物も、売られている小松菜やほうれん草のように緑の濃いものはありません。
よく見れば黄緑がかった淡い色をしていることに気づくと思います。
これは、
緑の濃い野菜がいい野菜!
を疑う必要がある……
このことを物語っているのです。
ぜひ、下記の写真のように、自然栽培の野菜の淡い緑色を覚えておいてください。
また、文頭の写真も、肥料を入れていない自然栽培の緑色の薄い野菜の方が、ひ弱い印象をもつかもしれません。しかし、実際には下のように、大根もサツマイモも立派に肥料・農薬なしに育っています。
「硝酸性窒素」という言葉をご存知ですか?どこかで耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか?
これは植物にとっても、人間にとっても必要な物質です。なぜならこれがないと多くの作物は育たないからです。でも問題はその過剰さ。摂り過ぎてしまうと、発がん性物質になったり、糖尿病やアレルギーの原因になったりすることを指摘する研究者もいます。
大切なのはバランスであって、偏ってはいけないわけなのです。
「硝酸性窒素」は特に、ほうれん草や小松菜、チンゲン菜などの葉物に多く含まれています。
毒への耐性は体重に比例します。硝酸性窒素も、小さい赤ちゃんに大量に与えてしまうと、窒息状態に陥る危険性が高くなってしまいます。地下水汚染で硝酸性窒素が高濃度になった水を飲んで、赤ちゃんが青くなって死んでいくことがあったため、「ブルーベイビー症候群」と言われています。硝酸性窒素が、赤血球の活動を阻害するために起こる症状です。
ヨーロッパやアメリカにおいて、家畜の糞尿により地下水が過度に硝酸性窒素によって汚染された場合に頻発した現象です。
ヨーロッパや国際機関では、「硝酸性窒素」に安全基準を設けています。つまり「基準値を超えたものはリスクがあるから食べないように!」と呼びかけているわけです。しかし日本では、飲み水の基準はあるものの、野菜については、まだ規制がありません。そのため“野放し状態”にある、そう言わざるを得ない状況があるのです。
どうして、こんな物質が植物に発生してしまうのでしょうか?
その原因は、肥料にあるのです。
先に触れたヨーロッパの地下水汚染のように、家畜の糞尿には肥料成分となる窒素がたくさん含まれています。この窒素が植物に吸収されるとき、「硝酸性窒素」として吸収されるのです。この濃度は投入する肥料の「量と質」によって変わります。肥料が何であるかといえば「窒素成分」を軸に作られているものといえます。有機であれ、化学であれ、肥料とは“窒素が軸”、このことに変わりはないのです。
「窒素」は植物にとって“成長促進剤”にあたります。この窒素は有機肥料にも、化学肥料にも含まれていて、与えれば与えるほど、葉の色が濃くなっていくというわけです。
特に葉もの野菜は、窒素を吸い上げて一気に育つ性質があり、また植物が硝酸を成長点に近い葉にためる性質があることに起因しています。
この窒素が過剰になると緑が濃くなる性質があります。
ある農業団体では、緑色が濃くないとキャベツが売れないので、キャベツの色の指標があって、収穫前に肥料を撒いて、色を濃くする調整をしている農家もあります。
人間が過度に、見た目や生産性を求めるが故に、農薬や肥料の使用を余儀なくしている側面があるのです。
いずれにせよ、
肥料を使えば使うほど、「硝酸性窒素」の危険性が高まっていくというわけです。
こうしたリスクがあるにも関わらず、肥料を入れる。そこに貫かれている思想は「より多く、より速く、より甘くを求める」、このことに他なりません。
すばやく成長させ、少しでも多くを収穫し、現金に代える。つまり自然な成長スピードを無視して、“経済効率”を優先した結果といえます。
決してそれが、すべて悪いと言いたいのではなく、物事には裏と表があり、その両方を知って、私たちは判断していく必要があると思うのです。
判断する感性を養うには、自然を見る一つとして、「自然界には裏と表」があるという農家の言葉に集約されているといえます。
硝酸性窒素の問題は飲み水にも影響を及ぼします。畑に使われた家畜の糞尿が、地下水や河川を汚してしまうからです。
ヨーロッパでは、畜産と農業を一緒に行う伝統が長く、畜産から出る糞尿を肥料として使います。そのため硝酸性窒素による地下水汚染が深刻化していきました。こうした理由からヨーロッパ諸国では、面積当たりの家畜の頭数に制限を設けているのです。これは窒素を規制していることでもあるのです。
ヨーロッパの飲み水は地下水が主流です。家畜の糞尿を有機肥料として使うことで地下水を汚染し、それが飲み水となって人体に戻ってくるのです。
日本の飲み水はダムがメインですので、硝酸性窒素の問題には、それほど関心が高まらないのかもしれません。それでも日本でも地下水から汲み上げた飲料水が基準値を超えるケースはたくさん報告されているのです。
親子二代にわたって自然栽培に取り組んでいる生産者の方に聞いたのですが、以前は放牧で牛を飼っていたそうです。その生産者のお父さんは牛の生態観察する中で、牛は自分たちが糞をした場所に生える草を決して食べないことに気づいたそうです。糞は動物性の肥料ですから、そこに生える草の色は当然濃い緑になります。
緑の濃い草を食べない、このことが意味するものは、硝酸性窒素の危険性を牛たちは本能で知っている。そのように考えられるのです。そのまま観察を続けていると、季節が過ぎ、その場所の草の色がまた自然な黄緑に戻ってくると、牛たちは再び食べはじめるそうなのです。
その時に、「自分たちの農法は間違っていなかった」と感じたそうです。実際に肥料を与えた牧草を与えたところ、牛たちが大量死した事件が、鹿児島で起きました。
牛たちのこうした素晴しい本能は、現代人の私たちが何よりも退化させてしまったものではないでしょうか。この自然栽培農家が牛の動向を観察した当時は大量の抗生物質やホルモン剤、抗菌剤などを牛の餌に混ぜたりしていないわけですから。今よりはずっと良質であったにも関わらず……
野菜たちとの会話についてお前たち分かるか?
あの人方はよ、朝畑にいくとパッとこっちを見るんだよ……!
おはようっていうとおはようっていうんだ。
もしも、自分が野菜だったなら、どうして欲しいのか。そうした気持ちでお手伝いするんだ。